バラエティー番組「愛するバックショット」の司会を務めるタレントの久本雅美さん(右)とお笑い芸人の山里亮太さん
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 日本のソフトパワーが注目される中、テレビ番組の基本的なアイデアや構成、制作内容、手順をパッケージ化して番組制作権を売る「フォーマット販売」に各局が乗り出している。読売テレビは、初めからフォーマット販売を狙うバラエティー番組「愛するバックショット」を制作、26日午後4時半から放送する。その狙いに迫った。【猪狩淳一】

 フォーマット販売では、巨大な障害セットに参加者が挑むスポーツバラエティー「SASUKE」(TBS系)が世界157カ国・地域で販売され、電通が2015年に欧州向けのフォーマット販売権を獲得するなどの成功例がある。番組そのものを販売するには、翻訳などのローカライズの作業があるが、アイデアを売るだけのフォーマット販売なら、ドラマなどを直接販売するよりも、言葉の壁はなく、出演者も現地のタレントなどにできる。現地で人気番組になれば、制作費の一定割合のライセンス料がテレビ局の収入となる仕組みだ。

 日本からは、4月に仏・カンヌである世界最大級のテレビ番組・デジタルコンテンツ見本市「MIPTV(International Programme Market)」の併催イベントで、フォーマット販売を紹介する「MIP Formats」の公式プログラムとして、NHKと民放各局が参加する「TREASURE BOX JAPAN」を2012年から開催。政府も「地域発コンテンツ等海外展開支援事業」として助成するなど力を入れている。

 「愛するバックショット」は、親子や夫婦、友人らの愛する人を、後ろ姿を見ただけで当てるシンプルな内容。2人の思い出のエピソードについてのクイズを出題し、正解すると近くから後ろ姿を見られ、間違えると距離が遠くなる。タレントの久本雅美さんとお笑い芸人の山里亮太さんを司会に、フリーアナウンサーの川田裕美さんらが出演する。川田さんは初共演となる父芳弘さんを当てるのが課題。フリーアナ転身時の父の思いなどについて出題される。また、俳優の清水隆伍さん親子も出演。劇団四季に所属していた清水さんが俳優としてデビューしたときの母の思いをつづった感動の手紙が読み上げられ、司会の久本さんが思わず涙ぐむ一幕も。収録では、フォーマット販売のために、リハーサルの段階から撮影され、演出の方法や出演者の動線など細かい部分まで記録された。

 演出・プロデュースの西田二郎・読売テレビ編成企画部長は最初から世界を意識して番組を企画。「日本のバラエティーは言葉の笑いで作ることが多いので、親子や夫婦などの関係性という普遍的なものをテーマにした」と語る。

 音楽は全て西田さん自ら作曲し、京都フィルハーモニー室内合奏団の生演奏を入れるぜいたくな趣向。セットもゴールド基調で豪華なイメージを意識したという。山里さんは「最近のバラエティー番組には珍しく、VTRを全く使わない完全な〝スタジオショー〟が素晴らしい」と絶賛。親子のエピソードクイズでもらい泣きした久本さんは「愛にあふれていて本当に感動した。世界に通用すると思う」と語る。

 作品は4月の「MIPTV」に参加予定。放送後には、タレントの布川敏和さんと長女・桃花さん親子が出演する特別版が読売テレビの動画サービス「MyDo!」で配信され、布川さんが離婚した時の桃花さんの思いなど、親子の秘話が明かされる。
 西田さんは収録後「親子愛をテーマにしたお陰で想像以上の感動を生んだ。これは世界中どこでも共通するものだと思う」と手応えを語った。制作前から世界を意識した「愛するバックショット」が羽ばたくか、注目だ。