300万張りを販売したカンタンタープ
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 バーベキューの日よけなどでおなじみの「タープ」。日本のメーカーが約20年にわたって作り続け、第3次アウトドアブームの中、約300万張りを販売する大ヒット商品となっている。その秘密を追った。【猪狩淳一】

 矢野経済研究所の調査によると、2015年のアウトドア用品国内市場は、前年比103.4%の1873億9000万円になる見込み。16年予測は同102.4%、1918億2000万円で、年々拡大している。

 アウトドアは、1970年代に「ヘビーデューティー」というスタイルの流行や登山などのブームがあった。次は90年代に四輪駆動車の普及によるオートキャンプブーム。08年ごろから「山ガール」の登場やバーベキューの流行などカジュアルな楽しみ方で広がっている。

 ファミリーキャンプ場などで「タープ」と呼ばれる日よけをよく見かける。アウトドアメーカーの「ニューテックジャパン」(本社・横浜市西区)が1999年にワンタッチで組み立てられて、運搬に便利な「カンタンタープ」を開発。それまでの組み立てが難しいテントからは格別の手軽さで市場に受け入れられ、ロングセラーとなった。

 白石徳宏社長はヒットの理由を「オリジナリティーとクオリティーの徹底的な追求」と語る。「カンタンタープ」は、アウトドア製品づくりに30年取り組む白石社長が日本の天候や収納事情を考え、独自技術で開発した。乗用車のトランクに入るよう、たたむと120センチになるサイズにしたり、硬質なスチールを使うことで強度と軽量化のバランスを取ったり、ジョイント部に自動車のパーツに使われる成型樹脂を使用したり、と見えないところにも徹底的なこだわりを持っている。今もユーザーの意見を聞きながら改良を続け、常に進化させているという。

 現在のアウトドア市場の拡大について、白石社長はネットショップなどによるEコマースの伸張が大きく寄与しているという。

 だが、通販で売られているアウトドア製品にはコピー商品や強度などに問題がある製品も多いと指摘する。白石社長は「インターネット市場に流れている製品は、どこのメーカーが作ったのか分からない物も多い。しっかりしたメーカーが、引っ張っていかなきゃいけない。他社を模倣するのではなく、オリジナルがあって、改良する努力を続けていくことが必要」と語る。

 自然の中で使うアウトドアグッズ。インターネットでの購入は便利だが、消費者はメーカーの品質へのこだわりなどを見抜く目を求められるようだ。