390度超の熱に耐えられるバイオプラスチックがこのほど、北陸先端科学技術大学院大の金子達雄准教授と筑波大学の高谷直樹教授らにより開発された。バイオプラスチックとしては世界最高耐熱で、融点が高い高性能鉛フリーはんだにも対応できることから、今後、自動車などに使われる電装部品やガラス、金属に代わるものとして期待されている。

 バイオプラスチックは、植物などの生物資源「バイオマス」を原料としたプラスチックで、二酸化炭素削減と廃棄物処理に有効とされている。しかし、これまでは、耐熱性の面で問題があり、力学強度も劣るため、おもに使い捨て分野で使用されてきた。

 開発の経緯について、金子准教授は「もともと環境保全に興味があり、バイオプラスチックについて調べていくうちにあまり種類がないことがわかった」といい、学生時代には、強度に優れ耐熱性のあるスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)の一種「ポリイミド」の研究していた。そして3年前から「バイオプラスチックからスーパーエンプラを作れないか」と考え、本格的に研究を始めたという。

 研究では、固い構造のシナモン系分子に着目し、同分子を多く生産する微生物を遺伝子組み換え法により量産化することに成功。できた素材は従来のものに比べて強度があり、高性能鉛フリーはんだの融点(最高378度)を上回る390~425度の耐熱性があるのが特長で、熱によるサイズの変化率も金属並みに低く、リサイクルも可能であることから、温室効果ガス抑制にもつながる。

 金子准教授は軽量で透明性があり、低熱膨張率などの高い機能も持つことから「ガラスの代替として、車のフロントガラスや家のガラスの素材にも使用することで、重さや危険性の軽減につながる。カーボン素材の代替も考えられ、車や船などの軽量化も」と期待している。