三菱重工業はこのほど、船舶用ディーゼルエンジンの排ガス洗浄システム「ハイブリッドSOxスクラバーシステム」を三菱化工機と共同開発したと発表した。大気汚染や酸性雨の原因とされる二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物(SOx)をエンジンの排ガスから効率的に除去するシステムで、指定海域で2015年から導入される船舶のSOx排出規制値に国内メーカーとして初めて対応する。

 ハイブリッドSOxスクラバーシステムは、清水洗浄と海水洗浄の二つの洗浄ラインを搭載し、安価なC重油から発生した排ガスを、高価な低硫黄燃料から発生する排ガス並みに浄化するシステム。清水洗浄では、15年発効予定のIMO(国際海事機関)SOx排出規制海域(欧州の北海およびバルト海、北米の大西洋・太平洋沿岸地域など)における規制値(硫黄分含有率0.1%)をクリアすることが可能で、海水洗浄では、2020~25年をめどに世界の全海域で適用が見込まれる規制値(硫黄分含有率0.5%)にも対応。実船搭載は15年度末を予定している。

 船舶の排ガス規制に関しては現在も強化する方向で議論が続けられており、三菱重工業では、C重油といった安価ながら硫黄分含有率の多い燃料を使い続けるには、排ガスから硫黄酸化物を除去するシステムが必要と判断。今回のハイブリッドSOxスクラバーシステムの開発に至ったという。

 三菱重工業の広報担当者は「船舶に対する環境保全・改善への要請が高まる中、ハイブリッドSOxスクラバーシステムを導入することで、環境負荷低減とともにランニングコストの低減にも貢献できる」と話している。